ベッドのマットレスを選ぶ際、何を基準にしたらいいのか悩む方も多いのではないでしょうか? ベッドはフレームとマットレスのセット販売もありますが、最近は好みのものを別々に購入する方も増えています。
「寝心地のいいマットレスで朝までぐっすり眠りたい」
「マットレスを選ぶ際の注意点を知りたい」
「腰痛がある場合のマットレスの選び方を知りたい」
選ぶ基準は人によってさまざまでしょう。
マットレスの選び方5つのポイントと体重・体型別のおすすめの硬さ
マットレスの形はどれも同じように見えますが、素材や構造、硬さなどはそれこそ千差万別です。 たくさんの中から、自分に合ったマットレスを選ぶとどんなメリットがあるのか、また、選ぶ際に特に注目したい5つのポイントについて紹介します。
自分に合ったマットレスを選ぶメリット
マットレスにはさまざまな種類があり、硬さや反発性、厚さなども異なります。 世の中にはどんなマットレスが存在して、自分にはどんなマットレスが合っているのかを知ることで、以下のメリットが得られます。
1.腰痛が緩和される
マットレスの役割は、「体圧を分散させ、体への負担を軽減すること」です。 睡眠時の仰向けの姿勢では、主に、頭・背中・腰・足の4箇所に重力を受けます。このとき、最も負担がかかるのが「腰」です。 自分に合った硬さのマットレスを選ぶことによって、腰に負担が集中してしまうのを防ぎ、腰痛を緩和することができます。
2.寝心地が良くなる
「通気性」「安定感」「丸洗いできる」など、好みの機能性を持つマットレスを選ぶことで、寝心地が改善します。 例えば、高温多湿の日本の気候に合わせ、通気性が優れているものを選べば、猛暑の夜でも涼しく快適に眠れるでしょう。
3.疲れが取れる
適度な硬さのマットレスを選べば、寝返りが打ちやすくなり、無駄な筋肉を使わなくて済むため、疲れが取れます。 柔らかすぎるマットレスは一見リラックスできそうですが、体が安定せず、寝返りのたびに筋力が必要となり、体力を消耗してしまいます。 また、硬すぎるマットレスは、体の接触箇所が圧迫され、血行が悪くなるため、必要以上の寝返りにつながります。
【マットレスの選び方1.硬さ】好みと向き(横向き・うつ伏せ)や体重(体型)で決める
マットレスを選ぶ上で、硬さは最も重要なポイントです。 もちろん好みも大切ですが、寝るときの姿勢や体重(体型)によってもおすすめの硬さは変わってきます。
人間の体はまっすぐではなく、緩やかにカーブしています。 例えば、硬い床に寝転がると、背中や腰など体の出っ張った部分に圧力が集中して、血流が悪くなります。 大切なのは、体への圧力を分散してくれる体圧分散に優れたマットレスを選ぶことです。硬すぎても、柔らかすぎてもよくありません。
マットレスの硬さを3段階に分け、よくある素材と特徴、どんな人におすすめかを見ていきましょう。
沈み込むような柔らかさを求めるなら「低反発ウレタン」「ポケットコイル」
「低反発ウレタン」は、マットレスだけでなく、スポーツシューズや車いす、枕にも使用されており、柔らかく安心感のある素材として定評があります。 「ポケットコイル」も体にフィットし、柔軟性があります。 柔らかいマットレスは、横向き寝が多い方におすすめです。また、体重が軽めの方は体が沈み込みすぎる心配があまりないので、柔らかいタイプが好みの場合は、こちらを選んでもいいでしょう。
中程度の硬さを求めるなら「高反発ウレタン」「ラテックス」
「高反発ウレタン」と「ラテックス」は、きれいな睡眠姿勢を保ち、ストレスなく寝返りを打てます。 「高反発ウレタン」は密度が高いものを選ぶと、安定した寝心地と、適度な硬さを得られます。 「ラテックス」は、「低反発ウレタン」に近い柔らかさはありますが、沈み込むことはないため、独特ながらも安定した硬さを備えています。 仰向け寝の方や標準的な体重の方におすすめです。
しっかりした硬さを求めるなら「ボンネルコイル」「樹脂素材」
「ボンネルコイル」は、連結したコイルスプリングによって、体を面で支えてくれます。コイルならではのしっかりした硬さの寝心地です。 「樹脂素材」は、素材が樹脂のため、硬めの寝心地ですが、高反発ウレタンと同じく、健康に良い睡眠姿勢を保つことができます。 寝返りも打ちやすいため、肩こりや腰痛で悩んでいる方にも適しています。 しっかりした硬さのマットレスは、うつぶせ寝の方におすすめです。また、体重が重めの方も、体が沈み込まず、寝返りがしやすい硬めを選ぶといいでしょう。
【マットレスの選び方2.反発性(弾力性)】寝姿勢や寝返りをサポート
マットレスの選び方の大切な指標として、反発性(弾力性)もあります。なぜなら、正しい睡眠体勢を保つために必要だからです。 睡眠時の姿勢を大きく分類すると、仰向け、横向き、うつ伏せの3パターンがあります。うつ伏せや、横向きの姿勢でないと寝られない方もいるでしょうが、背骨のことを考えると最適な睡眠体勢は仰向けです。 マットレスを選ぶ際は、仰向けで寝たときに背骨に沿って体を正しく支え、椎間板の負担を減らしてくれる適切な反発力のものを選ぶことをおすすめします。
一般的に、体が沈み込まず弾力性が強いマットレスを「高反発」、体が沈み込み跳ね返す力が弱いマットレスを「低反発」と呼びます。 高反発マットレスは、理想的な姿勢が維持しやすく、腰痛や肩こりが気になる方に適切です。 低反発マットレスは、腰痛の悩みがなく、柔らかい寝心地を好む方におすすめです。
【マットレスの選び方3.厚み】体重や用途で決めよう
マットレスの厚みは商品ごとにさまざまで、厚みの違いによっても特徴は変わってきます。 ここでは、厚みを5段階に分け、それぞれの特徴を解説していきます。
マットレスの厚み | 特徴 |
8cm | 三つ折り仕様のものが多く、手軽に折り畳んで収納することができます。敷布団にする場合は、最低限この厚みが必要です。素材が柔らかいものや、低反発素材のもので体重が重い方が使用する場合は、底に付くような感覚を感じます。 |
11cm | 「ウレタンマットレス」の平均的な厚みです。体格がしっかりとしている方でも、1枚でも底付き感なく、十分快適に寝られます。収納には向いていませんが、8cmよりも寝心地が良いため、定番のサイズです。 |
15cm | 「スプリングマットレス(ポケットコイル・ボンネルコイル)」の最低限の厚みです。他の種類のマットレスでも十分な厚みのため、選択に迷った際は、「耐久性」「衛生面」「使い勝手」の観点から比較します。 |
25cm | このサイズは、「コイルスプリング製のベッドマットレス」で人気です。床に敷くのではなく、ベッドフレームにセットして使います。8年以上の使用期間を想定している場合に適しています。 |
35cm | 高価な「コイルスプリング製のベットマットレス」の中には、35cm以上の厚みのものがあります。クッション材を詰めすぎたものや、豪華に見せかけただけのものではなく、良い素材を使用したマットレスを選ぶ必要があります。 |
その他、3cm、5cmの厚みのものもありますが、これらはマットレスの寝心地が悪いときなどにサポート寝具として使うもので、マットレストッパーと呼びます。単独で大人が使うには、不十分な厚みといえます。
【マットレスの選び方4.サイズ】適切なものを選ぶ
部屋の広さや使用する人数、寝返りの打ちやすさなどをイメージし、サイズでマットレスを選ぶのも一つの方法です。以下では主なサイズごとの特徴を解説します。
マットレスのサイズ | 特徴 |
シングルサイズ | 幅は約97cmで、大人1人用の一般的なサイズです。 男性は寝返りを打つ際に、少し窮屈に感じる場合があります。 |
セミダブルサイズ | 幅は約120cmで、大人1人がゆとりを持って寝られるサイズです。 |
ダブルサイズ | 幅は140cmです。大人2人用として一般的なサイズですが、寝返りを打つスペースに余裕がなく、実際には2人で寝ると狭く感じる場合があります。 |
クイーンサイズ | 幅は160cmです。大人2人でゆったりと寝ることができ、大人2人と幼児1人の組み合わせでも利用可能なサイズです。 |
キングサイズ | 幅は約180cmで、大人2人と幼児1人が余裕を持って寝られるサイズです。 |
マットレスのサイズごとに人数の目安を紹介しましたが、決まりはありません。 1人で寝るからといって、必ずしもシングルサイズが適しているとは限りません。 「手足を思いっきり伸ばして寝たい方」「寝相が悪い方」「寝返りが多い方」は、セミダブルを選べば、ゆったりと眠れます。大切なのは、睡眠スタイルなども考慮して、快適に寝られるマットレスを選ぶことです。
【マットレスの選び方5.品質】寝心地と耐久性で選ぶ
マットレスのスペック紹介の欄で、20Dや30Dなどの表記を見たことはありませんか? これは、ウレタン素材の密度を表す単位で、耐久性に関係します。
高反発マットレスの場合、一般的なのは30D前後で、5〜8年の耐久性があるとされています。 低反発マットレスの場合は、高反発より高い密度が必要といわれており、耐久性が気になる場合は、購入前によく確認しましょう。
スプリング型のものであれば、「スプリングコイルの形や感触が直に伝わる」「スプリングがぎしぎしときしむ音がする」といったマットレスは、寝心地や耐久性にあまり期待ができません。 手で押さえた際に、手のひら2つ分程度に深く沈み込むものは、クッションの層とスプリングコイルの層がバランス良く配置されているため、質が高いマットレスです。 また、スプリング型にも詰め物としてクッション層にウレタンを使用している場合もあります。商品紹介のスペックには、素材や密度などの表記もあるので、よく確認して購入することをおすすめします。
マットレスの基礎知識
マットレスの選び方として5つのポイントを紹介しましたが、ここではマットレスの役割や構造など基本的な情報について、再確認しておきましょう。
マットレスの役割
マットレスの役割は、質の高い快適な睡眠をサポートすることです。 人間の体は平らではないため、睡眠時の仰向けの姿勢で、出っ張っている頭・背中・腰・足の4箇所に特に体重がかかります。中でも、腰に最も重力がかかるため、自分に合ったマットレスを使用しなければ、腰痛を招く恐れがあります。 現在、さまざまな種類のマットレスが販売されていますが、体圧を分散させることによって体への負担を軽減する機能を備えたものを選ぶことが大切です。
マットレスの構造
マットレスの内部には、快適な睡眠のための工夫が隠されています。 ブランドやメーカーによって多少の差はありますが、厚み15cm以上の一般的なマットレスの内部は「キルト層」「クッション層」「スプリング層」の3つのパーツに分けられます。 構造としては、「キルト層→クッション層→スプリング層→クッション層→キルト層」という順番で層が積み重なっています。それぞれの構造について、もう少し詳しく見ていきましょう。
キルト層
肌に直接触れるため、やわらかく繊細な生地、あるいは汗や湿気が逃がせるよう、通気性の高い素材で構成された層です。
クッション層
快適な寝心地を保つため、保温性や吸湿性のある素材で構成された層です。スプリング層で使われているスプリングコイル(ばね)の痛みを和らげる役割もあります。
スプリング層
スプリングコイルで構成された層です。 寝転んだ際に心地良い弾力が感じられるのはこのスプリングコイルのおかげです。並び方や種類によって寝心地が変わるため、マットレスの構造の中でも重要な層です。
マットレスと布団の違い
マットレスの選び方で悩む方の中には、布団からベッドに変更しようと考えている人も多いのではないでしょうか。 ここで、布団とマットレスの違いについて、確認しておきましょう。どちらにもメリットとデメリットがあります。
布団
・持ち運びが簡単で、使わないときは押し入れなどに収納できるため、部屋のスペースを広く使える
・手軽に天日干しができ、清潔に保つことができる
・高さがないため、落下のリスクがない
・ベッドのように場所が固定されていないため、布団を敷けばどこでも好きな場所で寝ることができる
・上げ下ろしが大変 ・布団の収納スペースが必要
・寝心地が硬い ・低い位置で寝るのでほこりを吸い込みやすい
マットレス
・布団のような上げ下ろしの手間がない ・ある程度の高さがあるため、ほこりを吸い込みにくく、起き上がるときにも足腰に負担をかけずに立ち上がれる
・高さがあるため、床の冷えが伝わりにくい
・種類が豊富なので、自分に合ったものを見つけることができる
・布団よりも価格が高い
・部屋の中でスペースを取ってしまう
・処分が大変
マットレスのお手入れ方法
ここでは、マットレスを長く使うためのお手入れ方法を3つご紹介します。
ベッドパッドを敷く
おすすめは、「汗取りパッド」と「寝心地調整パッド」を一緒に使うことです。 「汗取りパッド」は、マットレスへの汗染みやニオイをカットしてくれます。丸洗いできるため、お手入れも簡単です。 「寝心地調整パッド」は、硬めのマットレスやスプリングが体に当たる感覚を和らげてくれます。 洗濯機で丸洗いできないものが多いため、汗取りパッドを上に敷いて使用しましょう。
定期的に干す
日光が直接当たる場所で定期的にマットレスを干しましょう。 干すことによって、湿気やニオイを放出することができます。 干すタイミングは2~3カ月に一度を目安にしてください。
マットレスを回転させて使う
マットレスは、購入から2~3カ月を目安に頭と足の部分を逆転させて使いましょう。 ずっと同じ面や同じ方向で使用し続けると、スプリングコイルの消耗を早めてしまいます。また、購入から6カ月目になったら、マットレスの表と裏をひっくり返しましょう。 それ以降は3カ月スパンで逆転・ひっくり返すを繰り返すと、長持ちします。多くのマットレスは、裏表・上下が対称に構成されているため、全ての面をローテーションしても、寝心地は変わりません。
マットレスの選び方と比較ポイント
さまざまなマットレスについて紹介してきましたが、自分にはどんなマットレスが合うのか、だいたいのイメージはつかめたでしょうか。 いろいろありすぎてまだ迷ってしまうという方に向けて、マットレスを比較するときのポイントやコツについて紹介します。
マットレスの予算で比較
マットレスは、約1万円から10万円以上とピンからキリまで価格幅があります。 ここでは、シングルサイズの予算を5段階で解説していきます。
マットレスの予算 | この価格帯で買えるマットレスの特徴 |
1万円強 | 通販の場合、足付きのマットレスが低価格で購入できます。 しかし、低価格の場合、マットレスの質が悪く、肩こりや腰痛の原因にもなるため、素材を確認しておく必要があります。 |
1~3万円 | コンパクトマットレスは、店舗で購入しても3万円以内で購入できます。 小柄な方や、部屋のスペースを取りたくない方に向いています。 |
3万円~5万円 | できるだけ低価格で、寝心地を追求するなら、5万円弱のマットレスが適しています。 学生や若い方に人気があります。 |
5万円~10万円 | この価格帯であれば、肩こりや腰痛に悩んでいる方でも、体に優しいマットレスを選ぶことができます。 また、睡眠の質を追求する方であれば、十分寝心地の良いものを購入できます。 |
10万円以上 | 10万円以上であれば、優れた寝心地や機能性を備えた高級マットレスを購入できます。 高額な買い物のため、実際に寝心地を試してから購入する必要があります。 |
マットレスの種類の比較
マットレスにはさまざまな種類がありますが、ここでは素材・構造別に分け、代表的な「コイルマットレス」「ウレタンマットレス」「ファイバーマットレス」「ラテックスマットレス」の4種類の特徴をご紹介します。
耐久性が高いコイルマットレス
マットレス内部の構造にコイルが使われているものを指します。最も一般的なマットレスで、価格や種類が豊富にあり、耐久性と通気性に優れているのが特徴です。
コイルの数が多いほど、体圧分散に優れ、耐久性も高いとされています。 大きく分けて「ボンネルコイル」と「ポケットコイル」の2種類が存在します。
〈ボンネルコイルマットレス〉
一つ一つらせん状に巻いたコイルスプリングを全面に配列し、連結した作りのマットレスです。 コイル同士がつながっているので、体全体をサポートしてくれます。通気性も良く、寝返りが打ちやすいマットレスです。 ただし、横揺れを感じやすいため、寝返りの振動が隣で寝ている人に伝わりやすいという特徴があります。
〈ポケットコイルマットレス〉
コイルスプリングを一つ一つ円筒形の袋に入れ、それらをすき間なく並べた作りのマットレスです。 独立したコイルが体のラインに沿ってしっかり体重を支えてくれ、体の部位に合わせて体圧分散してくれます。 横揺れが小さく、丈夫で通気性も良いマットレスです。 ボンネルコイルに比べると価格が高く設定されています。 シングルサイズの平均的なコイル数は450個前後です。
コストパフォーマンスに優れるウレタンマットレス
スポンジや断熱材に使われる、ウレタンという素材で作られたマットレスです。 ウレタンの持つクッション性で体全体を支える構造で、高いフィット感があります。「高反発」と「低反発」の2種類があります。
〈高反発ウレタンマットレス〉
名前のとおり高い反発力が特徴です。マットレスを指で押してもすぐに元に戻ります。 この高い反発力により、体が沈み込みすぎず、腰に負担をかけることなく寝返りを打つことができます。正しい寝姿勢を維持しやすく、体圧分散にも優れています。 耐久性もあり、長時間使用しても劣化しにくく、コイルマットレスには劣るものの、通気性も良いといえます。 低反発に比べて密着感がないので、夏でも蒸れることなく、快適に眠れます。一方で、通気性が良い分、冬は寒く感じる可能性があります。また、低反発に慣れている方は、寝心地が硬いと感じる場合があります。
〈低反発ウレタンマットレス〉
包み込まれるような柔らかい寝心地で、体型に合わせてぴったりフィットしてくれます。横向きで寝たい方も 圧迫感を感じることがありません。 一方、寝返りが打ちづらい、同じ姿勢を長時間続けることで肩こりや腰痛の原因になってしまうといったデメリットもあります。また、体にぴったりと密着するため、通気性は高反発ウレタンマットレスに劣ります。
清潔感を保ちやすいファイバーマットレス
自宅でシャワーなどを使って丸洗いできるマットレスです。ファイバーマットレスは、ポリエチレンといわれる繊維を、絡め合うようにして編んだ素材が使われています。 高反発のウレタンマットレスに似て、硬めのしっかりとした寝心地で、寝返りが打ちやすいのが特徴です。 通気性にも非常に優れ、寝汗や湿気が内部にこもらないので、カビやダニ、汗の臭いに悩む心配がありません。 さらに、定期的に洗うことで清潔な状態を保てるため、常に清潔な状態を保ちたい方におすすめです。 難点として、熱に弱いため、70~90度で溶け出す恐れがあります。電気毛布と併用する場合には注意が必要です。また、厚みが3cm~5cmと薄いため、人によっては底付き感が気になることがあります。
独特の柔らかさと弾力性を兼ね備えるラテックスマットレス
ゴム特有の柔らかさと弾力性を兼ね合わせた新しいタイプのマットレスです。 体圧分散に優れ、ゴムの柔らかさと反発力の絶妙なバランスで体をソフトに支えます。 耐久性にも優れていますが、通気性が悪く、夏場は蒸れを感じることがあります。 また、品質が良い天然ラテックスマットレスを購入する場合、価格が高くなりがちです。
マットレスの機能比較
機能的なベッドフレームがあるように、マットレスにも機能性を求めることができます。 ここでは代表的なものとして、折りたためるタイプと洗えるタイプの2つを紹介します。
折りたたみ式マットレス
一般的な折りたたみ式マットレスには、2つ折りから5つ折りまで種類があります。 最も一般的なものは2つ折りで、折りたたみ式ベッド上で使いやすいタイプです。 3つ折り以上は、商品によってはソファに変形できるタイプもあります。 いずれもコンパクトにできるのが魅力ですが、折り目部分が沈む可能性があるため、寝心地を確認してから購入しましょう。
洗えるマットレス
きれい好きな方や、汚れやすい環境で使用する場合には、シャワーなどで洗えるマットレスがおすすめです。 洗えるマットレスにはいくつかの種類がありますが、代表的なものは「ファイバーマットレス」と「高反発ウレタンマットレス」です。 「ファイバーマットレス」は洗いやすく、乾きやすい一方、その硬さから好みが分かれるところです。 「高反発ウレタンマットレス」は、洗う際にちぎれないように注意が必要ですが、ほどよい硬さで、ある程度の寝心地を期待できます。
マットレスの揺れの比較
2人以上で寝る場合は、お互いの振動が伝わりにくいマットレスを選ぶことも重要です。 特に、パートナーの寝相が悪かったり、寝返りの回数が多かったりする場合には、ポケットコイルマットレスを選びましょう。 コイルが独立している構造のため、横揺れしにくく、相手が動いても最小限の振動で抑えてくれます。
マットレスが合わない場合の対処法とアイテムの選び方
現在マットレスを使っているものの、「疲れが取れない」「腰痛に悩んでいる」という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。ここからは、すぐに試せる対処法を紹介します。
疲れが取れない場合
疲れが取れないと感じる場合は、マットレスの状態が悪いか、マットレスがそもそも体に合っていないことが考えられます。こういった場合には、まず通気性の改善をしてマットレスの状態を良くするか、分厚いマットレスへの交換によって問題を解消できる可能性があります。
通気性の改善を図る
日本の気候は高温多湿であるため、マットレスを放っておくとすぐに湿気を含んでしまいます。 湿気を含んだマットレスは寝心地が悪く、特に猛暑の夜には、良質な睡眠がとれずに朝まで疲れが残ってしまうこともあります。 そんなときは、まずマットレスを風通しのいいところに干してみましょう。通気性の改善は寝心地の良さに直接的につながります。場合によっては、ベッドフレームにすのこタイプを選ぶことも有効です。
厚いマットレスに交換する
分厚いマットレスに交換することで、疲れが取れやすくなることもあります。 薄いマットレスの中には、クッション性や体圧の分散が十分とはいえないものもあります。こうしたマットレスでは、よく寝られていると思っていても、実際には体の一部に負担がかかり、疲れを取り切れていないことがあります。 マットレスは中の詰め物の種類や、素材にも種類がありますが、厚みを増すだけでも寝心地の改善には有効です。
腰痛に悩んでいる場合
腰痛に悩んでいる場合には、以下に紹介する3つの方法を試すことで、問題を改善できるケースがあります。
マットレストッパーやベッドパッドを敷く
マットレストッパーと呼ばれる、厚さ3〜5cmほどの薄いマットレスや、キルト素材のベッドパッドは、マットレスの汚れを防ぐだけでなく、寝心地の良さにも一役買います。マットレスを買い替えるのは、なかなか大きな決断が必要です。しかし、マットレストッパーやベッドパッドなど手軽なアイテムを追加するだけで、既存のマットレスを活かしながら、寝心地を変えることができます。
腰に負担のかからない姿勢で眠る
睡眠時の姿勢を変えることで、腰痛改善を図ることもできます。それぞれの体形に合った姿勢があるため、一概にはいえませんが、仰向け寝の場合は、「膝の下にクッションなどを置いて膝を立てて寝る」、横向き寝の場合は、「背中を軽く丸めるようにして寝る(膝の間にクッションや枕を挟むとより効果的)」などの対処をすることで、腰痛改善につながるとされています。 なお、うつ伏せ寝は腰に負担がかかりやすい寝方だといわれています。できるだけ避けるよう心掛けましょう。
生活習慣を見直してみる
睡眠時を含めた、生活習慣全般を見直してみることも大切です。 腰痛は、主に背骨のゆがみによって発生します。寝方の癖に加えて、長時間足を組む、中腰でいる、といった体のバランスを崩しうる体勢は、できるだけ避けるよう心掛けましょう。 リラックスする時間を持つこと、小まめな水分補給、仕事中でも1時間に1回は立ち上がるようにすることが大切です。 腰痛はマットレスの硬さが大きく影響することもあります。マットレスの買い換えを考えている場合は、実際に展示物などで試してみるなど、自分の体に合う硬さを探してみましょう。
店頭でマットレスを試すときのチェックポイント
店頭でマットレスの寝心地を試す際にチェックするポイントは、「仰向けに寝たときも、立っているときと同じS字姿勢が保てるように、マットレスが程よく沈んで体をサポートしてくれる」かどうかです。 背中を頂点にして、腰の凹みとお尻の一番高い位置を線で結んで、横から見た寝姿がS字の体勢になっているのが理想です。 マットレスが柔らかすぎると体が沈み込んでS字が保てません。
逆に、マットレスが硬すぎるとS字になっていても、マットレスと体との間に隙間ができて、出っ張っている部分にのみ圧力がかかってしまいます。 マットレスを選ぶときは、実際に店頭にあるマットレスに横になり、寝心地や体の沈み具合を試してみましょう。 仰向けだけでなく、横向きに寝る、寝返りを打つなどの姿勢を5〜10分程度試し、不自然に感じるパーツや圧迫感がないかチェックします。 即決せずに、時間を置いてから再度試すことも重要です。
まとめ
マットレスの選び方について、重要な5つの観点とマットレスの基礎知識、選ぶ際の比較ポイント、腰痛などで悩んでいる場合の対処法を紹介しました。
- 自分に合ったマットレスを選ぶと、「腰痛が緩和される」「寝心地が良くなる」「疲れが取れる」などのメリットある
- マットレスの硬さは、「沈み込むような柔らかさ(低反発ウレタン・ポケットコイル)」「中程度の硬さ(高反発ウレタン・ラテックス)」「しっかりした硬さ(ボンネルコイル・樹脂素材)」の3段階に分けられる
- マットレスの反発性(弾力性)は、正しい睡眠体勢を保つために必要な指標
- マットレスの厚みは8〜35cmまでさまざまあり、それぞれ特徴がある
- マットレスのサイズは、シングル、セミダブル、ダブル、クイーン、キングとある
- マットレスの品質は、ウレタンマットレスの場合は耐久性に関係する密度を確認するとよい。スプリングがたのものは手で押さえて沈み込みの状態を確認するのがおすすめ
- マットレスの役割は、質の高い快適な睡眠をサポートすること
- 厚み15cm以上の一般的なマットレスの内部構造は「キルト層」「クッション層」「スプリング層」の3つのパーツに分けられる
- マットレスは、布団に比べて上げ下ろしの手間がなく、種類も豊富なので、自分に合ったものを見つけられる
- マットレスを長く使うためには、「ベッドパッドを敷く」「定期的に干す」「マットレスを回転させて使う」のがおすすめ
- マットレスの選び方に迷ったら、「予算」「素材・構造別」「機能」「揺れ」の観点で比較するとよい
- 現在使っているマットレスで疲れが取れない場合の対処法は、「通気性の改善を図る」「暑いマットレスに交換する」の2つ
- 腰痛に悩んでいる場合の対処法は、「マットレストッパーやベッドパッドを敷く」「腰に負担のかからない姿勢で眠る」「生活習慣を見直してみる」
- 店舗でマットレスを試すときは、5〜10分程度寝心地や沈み具合を実際にチェックする